3章

3章 キャリアに関する理論 3節組織キャリアの諸理論(シャインのキャリア理論)

組織キャリアの諸理論

 

働く多くの人は、組織の中でキャリアを形成している。したがって、組織の中で個人のキャリアはどのように形成され、またどのようなキャリア上の課題や問題があるのか理解することが必要。

 

組織心理学者のシャイン(Schein,E.H.)とホール(Hall,D.T.)の2人を紹介。

 

引用元 (EgonZehnder :https://www.egonzehnder.com/insight/in-conversation-with-ed-schein)

たこはち先生
たこはち先生
シャイン先生は、3つのサイクル、キャリア・アンカー、キャリア・サバイバルを提唱した、MITマサチューセッツ工科大学の名誉教授だぞ。組織心理学の祖と言われてるぞ。

きゃり太
きゃり太
ふーん、肩書きはすごいけど、とても優しそうな人ですね。

 

シャインのキャリア理論。シャインが提唱した理論上の3つの主要概念。

 

①3つのサイクル

 

②キャリア・アンカー

 

③キャリア・サバイバル

 

①3つのサイクルとは、「生物学的・社会的」「家族関係」「仕事・キャリア」の3つのライフサイクルは重なり互いに影響しあうとしている。

 

②キャリア・アンカー、シャインは、長期的な職業生活における個人の拠り所を「キャリア・アンカー」(career anchor)と名づけ、自分のキャリア・アンカーを理解することが、キャリア選択を明確にし、生涯キャリア発達を促すとしている。キャリア・アンカーの具体的な要素は、1.自覚された才能と能力、2.自覚された動機と欲求、3.自覚された価値と態度の3つがある。また、金井(2003)は、キャリア・アンカーを確かめるためには「何が得意か」「何をやりたいのか」「何をやっていると自分が充実しているのか」の3つの問いが有効であるとしている。

 

 

キャリアアンカーのカテゴリーは、a.専門を極めること、b.人々を動かすこと、c.自律・独立して仕事ができること、d.安定して心配なく仕事ができること、e.絶えず、起業家として(あるいは、起業家のように)なにか新しいものを想像すること、f.だれかの役に立ち、社会に貢献できること、g.自分にしかできないことに挑戦し続けること、h.仕事と家族やプライベートのバランスがとれるライフ・スタイルを実現すること。以上の8つのカテゴリーがあり、キャリア・アンカーとは、仕事が変わっても、会社ごと移っても、そのひとがどこでどのような仕事をしようと、「どうしてもこれだけは犠牲にしたくない」ほどに大切にしているものとしている。

 

③キャリア・サバイバル。シャインは、キャリア・アンカーが実際の仕事として実現していくプロセスを重視し、個人が組織のニーズを分析するために行うべき「職務と役割の戦略的プランニング」の手続きを、「キャリア・サバイバル」(career survival)という概念で示している。「職務と役割の戦略的プランニング」として①現在の職務と役割を棚卸しする、②環境の変化を識別する、③環境の変化が利害関係者の期待に与える影響を評価する、④職務と役割に対する影響を確認する、⑤職務要件を見直す、⑥職務と役割の戦略的プランニング・エクセサイズの輪を広げる。

 

最後のキャリアサバイバルは、とても興味深い。利害関係者からの期待を知り、環境の変化を分析しながら、このような期待がどのように変化するかを見通していく事が重要。

 

今日はこの辺で、ではまた。Chao!

ABOUT ME
よっさ
職種:産業保健師 資格:保健師・看護師 趣味:釣り・シュノーケリング その他:青年海外協力隊OV・保健学研究科修士課程修了