カウンセリングの主要理論には以下の8つがある。
- ①来談者中心療法
- ②精神分析的カウンセリング
- ③交流分析とゲシュタルト療法
- ④論理情動行動療法(REBT)
- ⑤認知行動療法(CBT)
- ⑥ナラティブ・アプローチ
- ⑦アサーション・トレーニング
- ⑧グループアプローチ
ゲシュタルト療法とは、
パールズ(Perls,F.S.)によって創始された統合的、実存主義的な心理療法で、「今・この時点」の治療場面での気づきによって、心身のホメオスタシスと人格の統合を目指すものと言われている。
ゲシュタルト療法を実践する際の基本的な考え方
杉田(2000)は、ゲシュタルト療法を実践する際の基本的な考え方を以下のように説明している。
1.人間の経験全体(ゲシュタルト)は「図と地」の関係にある。「図」とは関心のまとまりとなって反応を起こさせるものであり、その他は「地」として背景へ押しやられる。「地」は「図」を引き立たせる役割を持ち、次にまた図となるべきものを提供する。このゲシュタルト形式のスムーズな流れの中断が病的な状態をもたらす。2.「今・ここ」という時点での自己への気づきが、精神の成長、変化、治癒をもたらす。3.人は、自分の感情、行動、思考に対してすべての責任を引き受けるときに、成長・変化する。4.べき主義や現状維持を手放して柔軟な態度になると、変化はストレスでなくなる。5.個人の内界に相対している力は、ありのままの姿で戦う機会を与えられると、互いに相手の存在を認め、最終的には調和・融合に至る。
「図と地」の説明でよく使われるのが下記のルビンの壺
この絵は、「壺」にもみえるし、「向かい合った2人の横顔」にもみえる。白い部分に焦点をあてると、「壺」が『図』になり、「横顔」が『地』となる。また、逆に黒い部分に焦点をあてると、「横顔」が『図』になり、「壺」が『地』となる。
ゲシュタルト療法では、人間の成長、熟成には3つの領域に接触(コンタクト)する事が必要であるとしている。3つの領域とは、内部領域(自己の内部)、外部領域(外部の刺激)、中間領域(思考)である。このすべてに「今、ここ」で自在に接触できるようになると、気づきが生まれ、自らの選択が行えるようになる。
本日はここまで、では、また。Chao!