2021.10.05(火)
まず、大前提として、厚生労働省は5年ごとに職業能力開発基本計画を策定している。
①2001-2005年 第7次職業能力開発基本計画
②2006-2010年 第8次職業能力開発基本計画
③2011-2015年 第9次職業能力開発基本計画
④2016-2020年 第10次職業能力開発基本計画
こんな感じできれいに5年ごとに職業能力開発基本計画が立てられている。
まず、①第7次職業能力開発基本計画でキャリアコンサルタントの登場。これは、「労働者のキャリア形成支援システム」の構築が重要であると打ち出した。そのキャリア形成支援システムの整備のために
a.キャリア・コンサルティング技法の開発
b.キャリア形成に関する情報提供、相談等の推進
c.民間におけるキャリア形成支援システムの確立および人材育成
d.企業内におけるキャリア形成支援システムの確立
こんな感じで、職業能力開発の仕組みの開発とその推進が打ち出されたんだけど、実際は「一人ひとりの従業員の心の不安や悩み」の問題に向き合うキャリアカウンセリングを中心とした対応となっていた。
次に、②第8次職業能力開発基本計画は、「心の問題」に加えて「多様なキャリア開発の問題」をキャリア・コンサルタントの重要な活動とした。特に、ライフ・キャリア全体の設計や職場におけるメンタルヘルスの問題等への対応も視野にいれたキャリア・コンサルティングの確立が重要なテーマとして取り上げられた。
③第9次職業能力開発基本計画は、職業生涯を通じたキャリア形成支援の一層の推進がキャリア・コンサルティングの重要な活動方針として明記された。
a.個人の主体的な能力開発の支援:就職・転職時等必要なときにキャリア・コンサルティングを受けられる環境の整備
b.企業による労働者の能力開発の支援:キャリア形成促進助成金等の効果的な活用
c.キャリア教育の推進:教育施策と密接に連携した職業能力開発施策の展開
ここでも、カウンセリングに加えた職業生涯にわたる「キャリア支援」がキャリア・コンサルタントの重要な役割とした。
④第10次職業能力開発基本計画はサブタイトルに生産性向上に向けた人材育成戦略がついている。これは、若者、ミドル、シニアの職業生活の節目において実践するキャリアデザイン研修、法律で定められたキャリアコンサルティングの内容を具体化したセルフ・キャリアドックの導入と仕組み化である。中高年の多様な経験と熟練した技術・技能を十分発揮できるよう中高年のキャリア形成支援が活動として明示された。また、一連の活動の導入・実践展開のためのマニュアルの作成と支援活動、さらにはキャリアコンサルティングを効果的に実践している好事例の周知がなされた。
こんな感じで、キャリアコンサルタントは職業能力開発基本計画に基づいて、心の問題からキャリア開発をプラスしていった感じかな。これからも、第11次、第12次の職業能力開発基本計画に沿って、キャリアコンサルタントの役割が変化していくと思うので、常に時代の変化と向き合って有効な支援の提供に向けた継続的な研鑽をしていくことが大切ですね。
では、今日はこの辺で、Chao!